高崎市の歯医者「しんがい歯科医院」の症例紹介・医院ブログ

治療に関するQ&A

根の治療の成功率

こんにちは(*^^*)衛生士の小金澤です。

 

歯が痛くなって治療するときに気になる事の1つとしてあげられるのが

「この歯はどこまでもつのか…?」

という事ですよね。

「せっかく治すなら長く使いたい」

そう思う一方で

「時間をかけて治療するより抜いてしまった方が良いのでは?」

と考える方もいらっしゃいます。

 

そこで今回のテーマは

《根の治療の成功率》です!

そもそも根の治療の成功率を左右する因子とは何なのでしょうか?

 

【治療前の因子】
・年齢や性別
・歯の種類
・歯に痛みや腫れがあるか
・根の先に病気があるか
・根の治療を今までにしたことのある歯か

 

【治療中の因子】
・ラバーダムの使用
・根の治療自体の質
・治療回数

 

【治療後の因子】
・かぶせ物の質
・歯への負担がかかりやすいか

 

など、ざっとあげただけでもこれだけの項目がありますが、こういった事を常に念頭に置いて治療しなければなりません。

 

その中でも
①ラバーダムの使用
②根の先に病気があるか
③かぶせ物の質

 

この3つが成功率をあげるのに最も重要な因子となります。

 

※ラバーダムに関しては、以前のブログを参考にしていただければと思います。

 

また、成功率を見ていく上で

《初めて根の治療をするのか?それとも再治療なのか?》

ということを分けて考える必要があります。

 

では、初めての根の治療だと成功率はどのくらいなのでしょうか?

2007年のNgらの論文では

 

厳格な基準だと平均成功率は31~96%

緩慢な基準だと平均成功率は60~100%

 

と、このようにかなり成功率に幅があります。

 

これは術者の腕(専門医であるかどうか)によって成功率が違うのではないかとされています。

また、治療前の歯の神経や、歯の周りの組織の状態が成功率に最も影響していたとあり、少なくとも厳格な基準で一年経過観察した場合は68~85%の成功率であったとしています。

 

 

更に、2003年のFriedmanらの論文では、1952歯を対象に510歯の根管治療についての治癒率を調査した結果

根の先に病気がないグループは82%

根の先に病気があるグループは93%

成功率は平均86%と報告しています。

 

つまり、初めての根の治療であれば約90%程度の成功率であり、逆に初めての根の治療であっても根の先に病気があれば成功率は10%位下がると考えられます。

 

最初の成功率が高い時にしっかりした治療がされていると、特に成功率が高い!ということですね。

 

次に、再治療の場合を見ていきましょう。

再治療の成功の基準はどういったものかというと…

 

歯科で多く引用されるのは
【Strindbergの成功基準】というものです。

 

これは1956年の論文で、ここでご紹介した他の論文と比べても古い年代のものです。

そこに書かれている治療内容自体は現在行われているものとはかなり違うのですが、成功とする基準が厳格であるため未だに多くの論文での基準として使われています。

 

どういった方法かを簡単に説明しますと、『レントゲンを撮ってみて、治療前と比較して根の先の病気がなくなってれば成功、病気の大きさが変わらない又は小さくなっていても失敗』と評価するものです。

 

その他にもたくさんありますが有名なものとしては、1~5段階の評価基準を設けて、治療後のレントゲンをみて判断する「PAI」という方法など、様々な成功基準を示すガイドラインがあります。

 

 

ですので、どの評価基準を先生が使うかによって成功の結果は違ってくる事が言えます。

 

厳密に成功率を提示することはなかなか難しいですが、どの基準を使ったとしても共通して言えることは

 

・無菌的な治療をする
・多くの細菌を取り除くためにしっかり洗浄し薬を入れる
・最終的な充填物を根の先まで(-2mm以内)緊密に入れる

 

という、一連の流れをしっかりと行わなければ根の治療を成功させることは出来ないということです。